アダルトチルドレン、空っぽの私。
私は、アダルトチルドレンだ。
肉体的な虐待やアルコール依存など、直接的なものではない、屈折した精神のサンドバッグだ。
小さい頃から、亭主関白な父と、過干渉な母の元で、必死に生き抜いてきた。
母の生き甲斐は、三人の娘たちだった。
私は長女。
成績優秀、品行方正、容姿端麗。
父に精神的虐待を受ける母を喜ばせるために、ストイックに【理想の娘像】を目指し、実現し続けてきた。
10年後くらいに聞いた話だが、周りの友人には、その当時、狂わんばかりに勉強に打ち込む姿が異様で、恐ろしいものに映っていたそうだ。
自分の意思ではなかった。
全ては母のため。
母はかわいそう。
私が守らなきゃ。
私が頑張れば、
私が褒められれば、
母は喜ぶ。
幸せになる。
そして、24歳の晩夏。
私は鬱に倒れた。
空っぽだった。
『働けない自分は、自分じゃない』
泣きながら、ベッドの上でこう言った。
価値がない。
優秀で、美しく、勝ち続けていない自分には、
価値がない。
価値がない。
なぜ?
こんなにも頑張ってきたのに、
こんなにも、楽しみや興味を犠牲にしてきたのに、
なぜ、私は、
空っぽなのだろう。
価値がないのだろう。
答えは、一冊の本から導かれた。
『心の休ませかた 40のヒント』
この本が、私の心の、暗く、冷たく、重たい扉を開いたのだ。
続く